asahi.com:増えぬホームのドア、可動式さく 普及率は3% - 社会

ホームドア導入が遅れる理由

せまい

これは誰にでもわかりやすい問題点でしょう。ただ、これは駅によって状況がバラバラであってそれほど大きな問題ではありません。
実際丸ノ内線には導入予定ですし。
http://www.tokyometro.jp/rosen/homedoor/index.html

定位置停止装置(TASC)や自動列車運転装置(ATO)を入れる必要がある

ホームドア・可動柵がある場合、停止位置がずれてしまうとまともに乗車できなくなります。結果として数十センチのオーバーランやショートも許容できなくなります。当然運転士の技量任せばかりではやっていけないので機械によって運転を支援する必要があり、TASCやATOの導入が必要になるわけです。
ところが、既存の信号設備を入れ替えて新たな設備を導入するわけですからかなりのコストが必要になります。まして高度な方式ほど距離あたりの単価が高くなるのは必然です。*1
ついでに言えば、地上路線では雨や雪によって加減速時に車輪が空転・滑走することがあるのでこういった設備はあまり向いていません。つくばエクスプレスが開業当初にオーバーラン多発させていたのはこれが原因。
参考:開業初日にオーバーランのつくばエクスプレス: 鉄路的部落
鉄道各社がホームドア・可動柵の導入に消極的な理由はこれが最も大きいように思います。

編成長や一両あたりのドア数が固定されてない場合がある

山手線のように全列車が11両編成でドア位置も固定されてれば良いものの、京急のように4両・6両・8両・12両・2ドア・3ドアとドア位置がバラバラな場合ホームドアや可動柵を設置することは非常に難しくなります。



このように既存路線への導入は難しい状況ですが、安全面を考慮すればホームドア・可動柵は大きな効果を持っていることも確かです。まあ、新規路線には積極的に導入されてるんで温かく見守ってやってください。

*1:全く別の制御方式ではありますが、東急ATCは1億円/kmとも言われます